外壁塗装工事をされる際、まず工事に関して様々な情報を取り入れている方も多いと思います。
【上塗り塗料】はもちろん大切ですが、それに匹敵するくらい・・いやそれを超えるほど重要だと言われている工程です。
私がご説明いたします!
まさに中塗り→上塗りと進む前の非常に大事な工程です。どんなに良い塗料を使用していたとしても「下塗り」をおろそかにしてしまうと決して長持ち住宅は出来上がらないからです。
今回はその理由と下塗りの種類や特徴について徹底的にご説明させていただきます。
そもそも下塗り塗料って何?
「見積には下塗りって書いてあるけど・・・そもそも下塗り塗料って何?」と思っている方も多いと思います。
下塗りとは仕上げ塗装前、つまりは中塗り→上塗りの前段階として最初に塗る塗料です。そして高い耐久性を持たせるのに必ず必要な工程でもあります。
外壁塗装工事でよくあるクレームにこの下塗りが正しく施工されおらず、剥がれなどの原因にもなっております。
下塗りの大切な役割とは?
必ず最初に塗る工程ですが、しっかりと大切な役割を果たしています。
屋根や外壁は10年以上経つと経年劣化で表面の膜が薄くなったり、前回の下塗りの施工を怠っていたりすると剥がれてきたりします。
下塗りはそのように劣化してしまった外壁や屋根に塗ることで強く強靭な下地を作り出すことができるのです。
ひび割れなどを埋めてくれる粘度の高いねっとりとした下塗り材もありますし、水のように年度が低く塗布箇所に吸い込み内側から下地を整えてくれる下塗り材などもあります。
また鉄部に関しても、ザビの発生を防ぐ「錆止め塗料」がありますが、これもまた下塗りの部類に入ります。
中塗り・上塗りの仕上がりをよくする
上記で説明したように、下塗りを塗ることでその次の工程である中塗り・上塗りの仕上がりを格段にアップすことができます。
ではなぜ仕上がりが上がるのかご説明したいと思います。
下塗りを塗らないとどんな仕上がりになるのか?
皆様が外壁塗装をお考えになっているタイミングと言えば、
「外壁が色あせてきた」
「外壁に白い粉が出てきた」
その他にも考えられる要因というのは数え切れないほどあると思いますが、新築当時や、前回塗り替えてから10年以上経っている外壁は表面の塗膜が薄くなっています。
そして塗膜が薄くなる要因の1つとして、紫外線からのダメージによる表面のチョーキング現象(触ると白い粉が手につく)があると思います。
この状態は表面にツヤや潤いがなくなり、バサバサに乾燥してしまっている状態です。この状態で直接、仕上げ塗料を塗ると乾燥した外壁の中に仕上げ塗料が吸い込んでしまい、吸い込みムラが発生し、仕上がりが悪くなります。
外壁も劣化の具合にはばらつきがあるので、よく吸い込んでしまう所とあまり吸い込まない所での差が発生してしまい、かなりムラのある汚い仕上がりになってしまいます。
隠ぺい力を高める
隠ぺい力を高めると言うのもあります。塗料を塗っても前回の外壁の色が浮き出てしまうことを隠ぺい力が低いといいます。
下塗りには白色、グレーなどがありますが、この下塗りをムラなく塗ることで隠ぺい力を高めることができます。
例えば、塗り替え前の外壁の色がブラックだとして今回の外壁塗装の仕上げの色がホワイトだとします。
塗装工程は通常、下塗り中塗り上塗りの3工程です。
この下塗りを省いてしまい、中塗り上塗りの2工程だけでは下のブラックの色が消える事はありません。
しかし、下塗りをしっかりと塗り込むことで下の色を消し白色をしっかりと出すことができます。
クラック(ひび割れ)を埋める
外壁は経年劣化が進んでしまうと、表面の細かなクラックが出てきてしまいます。
もちろん大きなクラックの場合は専用補修材(コーキング)を充填し埋めますが、
細かなクラックはコーキングで埋めていてはキリがありませんし、全体的に補修跡が目立ってしまいます。
そのような場合は専用の下塗りを塗ることによって、細かなクラックを埋めてくれます。
密着力のアップ
下塗りには様々な効果がありますがその一つに「密着力のアップ」があります。
もちろん、全ての塗料には密着性がありますが、下塗り材には特に抜群の密着性があります。
下塗りを塗らずに中塗りを塗るとおそらく数年で剥がれ始めます。
何故ならメーカーの設計で仕上げ塗料は下塗りの上に塗って初めて効果が発揮するようになっているからです。
事実、下塗りをしっかりと塗っている場合は次回の10年後の塗り替えでも剥がれず密着しています。
仕上げ塗料の効力を保つ
下塗りの役割について
上記の通りお伝えしましたが、上記と同じくらい重要な役割が仕上げ塗料の効力を最大限発揮してくれるです。
中塗り・上塗りは下塗りを完璧に施工してこそ効力を発揮するのです。
下塗りが甘ければ仕上げ塗料が剥がれてしまいますし、色あせも早くムラの原因にもなります。
逆に下塗りさえ既定量で正しく施工していればどんな仕上げ塗料を用いても高い耐久性が期待できます。
下地別に下塗り材の種類が変わる
下塗りの役割についてピックアップしましたが、下塗り材にも沢山の種類がありそれぞれ目的や劣化箇所により使い分ける必要があります。
- シーラー
- フィラー
- バインダー
- サーフェイサー
- プライマー
主に上記の下塗り材をそれぞれの施工箇所に合わせて使い分けていきます。
シーラー
シーラーという材料は建築塗装に限らず様々な業界で使用されていますね。
主にバサバサとした吸い込みの激しい下地材に使用することで、このシーラー材が下地の中まで吸い込み内側から固まってくれるので、次の中塗りの吸い込みを抑え、中塗り材の密着力を最大限に発揮します。
また、シーラーは吸い込みの激しい下地に強い浸透性・高い密着性を誇るので剥がれる心配が少ないです。
また、水のように粘度が低いのでクラック(ひび割れ)を埋めてくれるほどの厚みはありません。
その場合はクラック部分はコーキング補修などを施しましょう。
フィラー
フィラーはシーラーよりも、ねっとりとした塗料でヘアークラックのような小さなひび割れに追従してくれます。
また凹凸に激しい外壁にしっかりと塗り付けることができ、なめらかな下地を作ることができます。
あまりに深いクラックはフィラー材では対処できないのでコーキング補修などが必要です。
微弾性フィラー
この【微弾性フィラー】はシーラーの密着性とフィラーの粘度が高くクラック埋めてくれる2つの特徴が合わさった万能下塗り材です。
ねっとりとした材料であり、厚みも付くので表面にマスティック模様などの凹凸を付けたデザインをつくることが可能です。
バインダー
このバインダーという下塗り材は上記で説明したシーラーと類似している塗料です。
主に吸い込みの激しい下地面に使用します。また、中塗りと上塗りとの密着力をアップしてくれるので剥がれなどの心配が少ないです。
サーフェイサー
サーフェイサーは下塗りに分類されることが多いですが、中塗りに使用することが多く下塗りとして最初に塗ることはありません。
下塗りを塗っても、まだ下地が調整できていない場合などに使用します。
屋根のスレート屋根材に使用することも多く、下地を再調整しながら厚みをつけることが可能です。
プライマー
プライマーは性質的にはシーラー材と似ている部分がありますが、鉄部やアルミやステンレスにも塗ることができるプライマーもあります。
ホームセンターにも販売されている「ミッチャクロン」などはこのプライマーに分類されます。
外壁別に分かりやすく解説
文章だけではなかなか想像がつかないと思いますので、施工中のお写真と照らし合わせながらご説明したいと思います。
凹凸の多い吹付壁やモルタル壁
モルタル壁や玉吹き壁など、このお写真のような外壁のお家の方は多いのではないでしょうか。
前回塗り替えてから十年以上経っており、色は完全に色あせてしまい、表面には細かいクラックなどが多く存在します。
このような外壁には、「微弾性フィラー」や「フィラー」のような、厚みを付けることができ、細かなひび割れを埋めてくれる下塗り材が最適です。
クラックなどが無いサイディング
上記のお写真のようにクラック(ひび割れ)がないサイディングなどにはシーラーをお勧めします。
写真では透明なシーラー材ですがホワイトもあります。
外壁塗装の際にサイディングの綺麗な模様やつるっとした平面にはシーラーのような粘度の低いものがお勧めです。
フィラーなどでも良いのですが、ねっとりとしている為ローラー後のような模様が目立ってしまう恐れがあります。
スレート屋根(カラーベスト)
上記の屋根塗装ですが、グレーの塗料が中塗りとして使用されている「サフェーサー」です。我々は主に屋根塗装に使用することが多いです。
この下にはスレート屋根用シーラーを塗布しておりますが、思ったよりも吸い込みが激しくシーラーを全て吸い込んでしまいました。
このまま中塗り・上塗りと屋根の仕上げ塗料を塗っても密着力が足りないので間に密着性と厚みを付けるサフェーサーを塗っています。
サフェーサーを塗ることで強靭な屋根を作ることができます。
お勧め下塗り塗料をご紹介
【日本ペイント】
パーフェクトサーフ
引用元:日本ペイント
窯業系サイデイングの塗り替えに強い味方になってくれます。
色はホワイトですが、職人目線から見ると隠ぺい力はトップクラスだと思います。中塗り・上塗りと工程を進めてもしっかりと仕上がってくれます。
前回の外壁色と全く異なった色をお考えの方には最適です。
最後に
長くなってしまいましたがお読みいただきありがとうございます。
本当はこれではご説明しきれないほど重要な工程ですので、また詳しくご説明させていだたきたいと思います。
外壁によっても使用する下塗り材は異なってきますので、もし分からないことがあったり不安なことがありましたら【キヨク塗装店】にお気軽にお問い合わせやお電話からご連絡ください。
愛知県の半田市を拠点に知多半島、名古屋市にて数多く施工させて頂いております。