今や屋根塗装ではスタンダード塗料になりつつある遮熱塗料。
外壁にも使用されるようになってきました。今回の記事ではそんな遮熱塗料の特徴やメリット・デメリットについて徹底解説していきます・
遮熱塗料とはどんな塗料?
常に地球上に降り注いでいる太陽エネルギー。
そのうち「50%が赤外線」「47%は可視光線」「3%は紫外線」から構成されています。
その太陽エネルギーにより常に外壁や屋根は劣化が進行しています。
遮熱塗料はこの赤外線を効率よく反射させる役割を果たしています。
つまりは、遮熱塗装を使用することで室内温度と表面温度を軽減してくれるのです。
耐久年数
遮熱塗料は「シリコン塗料」「フッ素塗料」によっても耐久性は大きく変わってきますが、一般凡庸塗料よりも耐久性は高いと言われております。
遮熱シリコン塗料
約10年以上
遮熱フッ素塗料
15年以上
*塗料メーカーによって耐久年数は異なりますのであくまで目安としてください。
節電効果がある
上記で説明したように遮熱塗料は室内の温度上昇を緩和する効果があるため、エアコン設定を下げることができ、節電効果が期待されます。
今回は【日本ペイント:サーモアイシリーズ】という遮熱塗料を例にご説明していきます。
メーカーにおける検証でプレハブ式ユニットハウスの屋根に塗装したデータによると、表面温度で最高約10度前後、室内温度で最高約3度の削減というデータが出ております。
キヨク塗装店でも良く使用している塗料ですが、実際に塗装した感想は・・・・
表面温度に関しては歩いただけで分かるほど温度が下がっていました。
真夏のスレート屋根は靴を履いて上がったとしても、とてもじっとはしていられないほど熱くなります。
しかしいざ遮熱塗料で屋根を塗装してみると、1段階温度が下がっていたのです。初めて使用したときはかなりの衝撃を覚えました。
一般的な屋根塗料と比べて耐久性が高い
「遮熱塗料は節電効果があるだけじゃないの?」と思ってらっしゃる方へ。
実は節電効果だけではないんです。
そのため今では本当に人気の塗料になってきていますね!
遮熱塗料は反射効果により太陽からのダメージを軽減してくれるので、耐久性自体も一般的な凡庸屋根塗料と比べ高くなります。
節電効果が期待できることに加え、耐久性も上げる事が出来るとても優秀な塗料となります。
遮熱塗装に関する子豆知識★
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施工内容も特殊なの?
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基本的には一般的な塗料と施工内容は変わりません。
「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3工程の場合が多いです。
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遮熱塗料の下塗りは決まっている?
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はい。遮熱塗料に関しては下塗りが指定されている場合がほとんどですので、メーカーの基準に沿った下塗りを使用しましょう。
遮熱塗装の単価・施工価格
さて、遮熱塗料の魅力もしっかりと伝わって来たのではないでしょうか?
それでは重要な単価や価格の面についてご説明させていただきます。
*単価・価格につきましては建坪30坪・塗装面積80㎡の屋根の平均的なお家を基準とさせて頂きます。
遮熱塗料の単価・価格
屋根塗装の平均単価
(スレート屋根80㎡の場合)
2500円~4500円/㎡
一軒当たり
約20万円~36万円
となります。
通常の屋根塗装価格と比べると少し高くなっています。
施工業者によっても単価は変わってきますが、一般屋根塗料の1,2倍~1,5倍ほど費用が高くなってしまうかなといった印象です。
遮熱塗料を選ぶメリット・デメリット
お家のタイプだったり劣化状況も10軒あれば10通りますが、プロの目からご説明させていただくとデメリットよりもメリットの方が大きい印象があります。
また、ほとんどの塗装可能な屋根に対応していますので選択肢も広く感じます。
少なからずデメリットもありますのでチェックしてみてください。
メリット | デメリット |
---|---|
・節電効果がある ・通常屋根塗料よりも耐久性が高い ・コストパフォーマンスに優れている | ・費用が高い ・選べる色が少ない |
上の図にもあるように、正直デメリットという部分では少し費用が高い事と、選べる色の数が少ないかなと感じます。
しかし黒系・茶色系・緑系など一式色は揃っているので、よほど奇抜な色でない限り大丈夫だと思います。
白系に近い色を選ぶ
遮熱塗料を使用するだけで様々な効果を得ることができます。
そして、より最大限遮熱効果を発揮したいのであればなるべく淡い色、白系に近い色を選ぶことで最大限遮熱効果を発揮することができます。
白色に近い色は黒系の色に比べ、熱の吸収が少ないという特徴があります。
お勧め遮熱塗料ランキング🔱
ここからは、実際に人気のある屋根用遮熱塗料をランキング形式で発表します。
日本ペイント:サーモアイシリーズ
日本ペイント:サーモアイシリーズ
恐らく日本ペイントでは一番選ばれている遮熱塗料ではないでしょうか。
上塗りだけではなく下塗りにも遮熱性能が備わっており「ダブル反射」させることで遮熱機能を最大限まで引き上げます。
屋根用シリーズでは「サーモアイシリー4F」なるフッ素塗料・「サーモアイSI」なるシリコン塗料が揃っておりますが、外壁用の「サーモアイウォール」もあります。
色に関しても茶系・緑系・青系・黒・グレー系など豊富にあります。
クールタイトSI
エスケー化研:クールタイトSI
エスケー化研が誇る二液型の遮熱シリコン樹脂塗料です。
低汚染機能が高く、汚れが付着することによる遮熱効果の低下を防いでくれます。
それだけではなく太陽の放射熱エネルギーからくる赤外線をしっかりと反射し高い遮熱効果を発揮します。
またシリコン塗料だけではなくフッ素塗料も選ぶことができ、水系塗料の「水性クールタイト」もあります。
アスティックペイント:スーパーシャネツサーモシリーズ
アスティックペイント:スーパーシャネツサーモシリーズ
アスティックペイントというメーカーの遮熱塗料です。
数年ほど前からものすごい勢いで知名度と実績を伸ばしています。
メーカー独自の試験ではスレート屋根で計測した所、最大15度を超える温度の低下が実証されています。
また、特殊無機顔料により、劣化や退色から屋根を守ってくれます。
まだまだ種類は豊富に揃っておりますが、結構似た効果の塗料も多いのでよく使用される3種類に絞ってご紹介しました!
分かりやすく図を作っておきますのでご確認ください。
塗料名 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
サーモアイ | ・下塗りにも遮熱機能装備 ・トップクラスの耐久性 | 4,1 |
クールタイト | ・歴史が長い(信頼できる) ・低汚染機能が高い8 | 3,5 |
スーパーシャネツサーモ | ・温度の高低差はトップクラス ・特殊無機顔料により色あせや劣化が少ない | 4,4 |
遮熱塗料との相性がいい屋根
「我が家の屋根は遮熱塗料を塗れるのかな?」
「どんな屋根に塗ることができるの?」
そんな遮熱塗料との相性がいい屋根をご紹介します。
スレート屋根
軽量でコストが安くセメントを主な主原料としている屋根です。
陶器瓦とは違い、約10年に一度の塗り替えが必要な屋根です。
素材も薄く熱を吸収しやすいので遮熱塗料との相性は抜群です。
トタン屋根
トタン板を原料としている為、ひび割れに強くメンテナンス次第では非常に寿命が長い素材です。
しかし、鉄が主原料の為サビに弱くメンテナンスを怠っているとサビの進行が原因で表面に穴が開いたり、全体に広がってしまうのが欠点です。
非常に熱を吸収しやすい素材なので室内の温度が上昇しやすく、真夏には表面温度は70度を超える場合もあります。
遮熱塗料を使用することで熱の反射を抑えることができます。
セメント瓦
セメントと砂を原料とした素材です。
スレート屋根に比べると厚みがあり丈夫です。またトタン屋根程熱を吸収しない為、こまめに塗装しておくと劣化は少ないでしょう。
遮熱塗装を施すと更なる効果が期待できます。
最後に
今回は屋根の遮熱塗料に関してご紹介しましたが、昨今では必ず見積プランの一つに遮熱塗料が含まれるほど人気が高まってきております。
費用が高いなどの問題もありますが、その効果を考えるとコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
是非一度、外壁塗装のタイミングでご検討してみてはいかがでしょうか。